今回のテーマは「時効」です。
どういう部分に注意して学習すればいいのかについて解説します。
⒈ 細かなルールが盛りだくさん
「時効」という用語自体は結構日常でも使われていますし、割とイメージしやすいかもしれません。
時効ギリギリで逮捕!
などというニュースでも登場する「時効」ですが、これは刑事法上の「時効」です。
民法でも「時効」の制度があります。
この「時効」の単元では、細かなルールが存在します。
・いつの時点からなのか
・どのくらいの期間経過が必要か
・(完成猶予・更新の有無)
・援用
ざっとでもこれくらいのルールがあります。
これら全ての条件を満たさないと時効は完成しません。
これらのルールを正確に覚える必要があります。
⒉ 1回の学習で終わらせない
「時効」の単元は、民法の他の単元の学習をした後でないと理解しにくい部分があります。
どのテキストでも権利関係の序盤で「時効」を扱うことになると思いますが、実際は民法の学習を一通りやった後で学習した方がいい単元です。
ですので、1回の学習で終わらせるのではなく、民法の学習が一通り済んだ後にもう1度「時効」の学習をするようにしてください。
1回目に学習した時よりもスムーズに内容が頭に入ってくると思います。
⒊ 暗記要素の強い部分
細かなルールが盛りだくさんということで、覚えなければならない知識もそれなりに多くなります。
暗記を多用しなければならない単元、ともいえます。
といっても、英単語の暗記のように短い用語を覚える暗記ではありません。
パターンを覚える暗記という感じです。
この場合はこうで、この場合はこうなる・・・
そういうパターンごとの暗記をする必要があります。
この暗記をするためには、次のような学習法が必要になります。
・過去問を多く解く
・テキストの表をしっかり覚える
・メモ(まとめノート)を作る
メモやまとめノート作りについては、時間がある時でOKです。
まずは、しっかりと過去問を解いてパターンの把握をすることです。
それを踏まえて、テキストの表を使って知識を整理します。
これらの作業をやらずにだらだらとテキストの本文を読んでいても、なかなか頭に入ってこないと思います。
「わかったつもり」になるのが一番怖いので、しっかり取り組むようにしましょう。
⒋ 過去に民法の学習をしたことのある人は注意!?
ご存知の方も多いと思いますが、民法の大改正がありました。
施行されて1ほど経ち、次第に世間に浸透してきたとはいえ、普段から民法に触れていないとその差がわからないかもしれません。
2019年までに民法の学習をしたことがある人、もしくは宅建士等の民法を必要とする試験の学習をしたことのある人は要注意です。
この「時効」の部分は総則の中でも大きい改正になった部分だからです。
旧民法で使われていた「時効の中断・停止」の用語がなくなり、「時効の完成猶予・更新」というものに変わりました。
「中断・停止」を整理したものが「完成猶予・更新」となっていて、旧民法を知っていると最初のうちはなかなか覚えにくいかもしれません。
いっそのこと、
「一度頭をまっさらな状態に戻して、新しく時効の知識を入れるぞ!!」
くらいの気概で取り組んだ方がスムーズに行くかもしれません。
混乱のもとになるので、旧民法との照らし合わせのようなことはやらない方がいいです。