今回はマンション管理士試験の難易度と学習期間についての話題です。
本試験の合格率と合格点、予備校やネットの情報を参考にしながら、私見も含めて解説していきます。
本試験のデータ
令和4年度マンション管理士試験のデータがマンション管理センターのHPで公表されています。
合格最低点・・・40点 (5問免除者は35点)
合格率・・・11.5%
合格最低点はいわゆる合格ラインのことで、令和4年度の場合は全50問中40点以上で合格ということになります。
実に8割もの得点が要求されたことになります。
合格率は11.5%と、これまでずっと1ケタ%だったマンション管理士試験において初めて10%の壁を超えました。
とはいえ、実質倍率が8.7倍ですので、厳しい試験であることに変わりはありません。
マンション管理士試験の難易度
マンション管理士の難易度について考えてみます。
他の資格試験と比べた方がわかりやすいと思いますので、ここでは『偏差値』を利用して比較してみたいと思います。
(偏差値は「資格の取り方」さんのデータを使用しています)
マンション管理士の偏差値は『62』とのことです。
偏差値62の資格にはマンション管理士の他に「薬剤師」「管理栄養士」「行政書士」などがあり、パッとみただけでも難しそうな資格が並んでいます。
いわゆる難関資格といえるレベル帯といえそうです。
他の不動産系の資格とも比較してみます。
- 宅建士 57
- 管理業務主任者 58
- 不動産鑑定士 74
ここには令和3年度から国家資格になった賃貸不動産経営管理士が含まれていませんが、宅建士が57ということを考えると偏差値は55〜57くらいになるものと思われます。
このように見ると、マンション管理士は宅建士や管理業務主任者よりは難しく、不動産鑑定士よりは易しいというポジションになります。
私自身も宅建士と管理業務主任者試験に合格していますが、体感としてもその2つの試験よりは1段階難しいと感じましたので、この偏差値の順序は妥当だと感じます。
マンション管理士試験の学習時間
各予備校のデータなどをもとにマンション管理士試験の学習時間を調べてみました。
マンション管理士試験の平均学習時間・・・約500時間
最短で250時間、長いものだと700時間というものがありました。
これらを総合すると250〜700時間ということになりそうです。
このあたりの学習時間はもちろん個人差があります。
管理業務主任者試験に合格している受験生は5問免除もあり、マンション管理士試験の科目についてもある程度の知識がありますので、比較的短い時間で突破することができます。
一方で、不動産業と関わりが薄かったり法律初心者という場合にはかなりの時間を使わなければ合格レベルには達しません。
こちらも他の不動産資格と比較してみます。
- 宅建士 200〜500時間
- 管理業務主任者 300時間前後
- 不動産鑑定士 2000〜4000時間
ということで、難易度とほぼ比例する結果となりました。
試験科目が9割くらい被っている管理業務主任者試験と比較してもマンション管理士試験の方が時間を要することがわかります。
このあたりは純粋に管理業務主任者試験の上位互換のような難しさがあることを示しています。
マンション管理士試験の問題が純粋に難しいですし、区分所有法のような難しい科目からの出題が多いです。
こういった事情でマンション管理士試験の学習時間が増えてしまうのです。
予備校ではマンション管理士試験と管理業務主任者試験のW受験をよくすすめています。
ただ、このようにレベル差が割とはっきりしていることもあって、実際にはマンション管理士試験に相当な時間を費やす結果となってしまいます。
合格率がそもそも低いマンション管理士試験に引きずられて管理業務主任者の試験対策が疎かになってしまい、どちらも不本意な結果に終わる・・・そんなリスクが高いような気がします。
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