令和5年(2023年)度用の宅建士試験過去問集が続々と販売される時期になりました。
過去問集でもいくつか種類があって、分野別のもの、年度別のものがあったり、一問一答形式のものもあったりします。
そんな中で、今回お話しするのは「年度別」の過去問です。
この年度別過去問を間違って使っている受験生が多い気がするので、今回はその正しい使い方を解説していきます。
市販されている年度別過去問
本題に入る前に、まずは市販されている「年度別過去問」をいくつか紹介します。
初学者、独学でやっている受験生にとっては有益なものですので、自分に合っていそうなものを1つ用意しておくことをおすすめします。
TAC わかって合格る宅建士 過去問12年PLUS
わかって合格(うか)る宅建士 過去問12年PLUS(プラス) 2023年度 [本試験12年分まるごと収録!問題 解説 どこでも学習しやすい4分冊](TAC出版) (わかって合格る宅建士シリーズ)
住宅新報出版 パーフェクト宅建士 過去問12年間
2023年版 パーフェクト宅建士過去問12年間(「問題」「解答解説」2分冊セパレート) (パーフェクト宅建士・読者特典付き)
ユーキャン ユーキャンの宅建士 過去12年問題集
2023年版 ユーキャンの宅建士 過去12年問題集 (ユーキャンの資格試験シリーズ)
年度別問題集の間違った使い方
正しい使い方の前に、間違った使い方を知っておきましょう。
それは・・・
点数を意識する使い方
になります。
例えば、令和4年度の試験問題を一通り解いて、36問正解したとしましょう。
この年の合格点が36点なので合格ラインに乗ったことになるわけですが・・・
その点数自体に意味がないのです。
というのも、テキストが過去問を反映してアップデートされているからです。
過去に出題された部分はマイナーな論点であっても小さく載せることになると思います。
その結果、実際の本試験前のテキストには書かれていなかったものがテキストに追加される形になるわけです。
当時の受験生がなかなか知り得ない知識が今のテキストに載っていることになり、点数が取れるのはある意味で当たり前です。
そして、本試験会場で解くのと自宅で解いているのとでも全然違います。
緊張で失点することもわりとあるあるですので、本試験では点数が意外に取れないものなのです。
このように、点数を確認して一喜一憂すること自体に意味がありません。
よほど点数が低い場合はもちろん学習プランの練り直しなどを考える必要があるかもしれませんが、点数をあまり意識せずに使った方がいいです。
正しい使い方
では、どのように年度別過去問を使うのか。
これは大きく分けて3つの使い方があります。
1 本試験の形式を確認する
試験には純粋な4択問題もあれば、個数問題のような形式のものもあります。
過去にはどのような割合でこれらの出題がされていたのか、それを知る上で年度別過去問は重要になります。
また、試験科目によって問題文の長さなども微妙に異なります。
そういう試験全体のバランスのようなものを確認することも大切です。
2 時間配分の練習
おそらくここが一番重要です。
宅建士試験は50問を120分で解かなくてはなりません。
単純計算すると1問あたり2.4分ですので、2分24秒平均で解く必要があります。
試験問題を読む時間、選択肢を読む時間、実際に解答を導く時間、マークシートに記入する時間。
それぞれを足し合わせたものを2分24秒以内にやらなければならないため、ある程度の慣れが必要になってきます。
最初のうちは時間を意識しながら過去問に取り組みましょう。
知識がついて慣れてくれば余裕になると思いますので、最初のうちのトレーニングで時間を使う感じでいいと思います。
また、2時間集中できるかどうかを試す道具としても有効かもしれません。
3 科目の順序を知る
当然のことながら、試験ではテキスト順に試験問題が出題されることはありません。
もしかすると、科目自体の順序がテキストとは違っているかもしれません。
本試験ではどのような順序で問われているのか、これを確認するツールとしては年度別過去問が唯一のものになります。
例えば一問一答や体型別過去問だけで学習していると、いざ本試験で解いたときに順番がめちゃめちゃに感じて変に動揺してしまうかもしれません。
ですので、あらかじめ科目の順序や科目の中でもどういう単元の順序で問われているかを知っておくことには意味があります。
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